耐震改修事例-旧基準の診断はやっぱり数値が低かった
リフォーム耐震補強
屋根と構造材を一体化
平成17年に無料耐震診断を行った2階建ての木造住宅、昭和52年新築、昭和59年1階増築の建物の
診断数値が当時 0.63であったものを平成20年の新診断法で再計算をし、0.43になってしまいました。
決して、痛んでいるお宅でもなく、維持管理が悪いわけでもないのですが数値が上がりません。
改修の順番で、大事なことをお伝えします。
1. 詳細診断を必ず行ってください。
詳細診断をすることによって、正確な筋交い等の耐力の把握ができます。また、もし床に傾斜
があれば、床組が悪いのか、基礎の影響か、地盤の影響かわかります。
詳細診断をすれば、地盤が悪い可能性がなければ地盤調査は不要になります。
2. 建物耐力が把握できれば、精算法による細かい計算を行っても安心できます。
精算法とは、WEE計算の1階耐力は、総2階建てで1階耐力を計算します。
しかし、精算法は2階の面積を実態と同じ面積にできるので、1階に無駄な(余裕も大事です)
少ない補強、費用で改修が可能になります。
このお宅も数値的には0.43ですが、精算法で再計算しますと、0.71まであがります。
筋交いとか、構造用合板とかの
壁耐力補強をすると柱に引き抜きが掛かります。それを防ぐのが金物です。その引き抜き耐力を計算
するのが、N値計算です。
構造用合板は釘でなければならず、N-50 で@150が守られないと
耐力が低下したり、地震時に釘がぬけて役に立たないことがわかって
います。
このお宅は増築部分がつなぎ梁などの構造材が脆弱で補強に
屋根裏(タルキ下端)にも張りました。そうすれば構造が一体となって地震
に耐えられます。
補強箇所も少なく、費用も補助金がいただける最低のラインで収まりました。
補助金の申請時に市役所の担当者の一言 わ 『安い』 でした。
いろいろな改修用の金物、機材など開発され安価になってきました。
皆様も地震にそなえてください。